青春を山へ

登山記録と過去の登山を日記風に綴っていきたいと思います。

初冬赤岳テント泊山行 続



行者小屋に到着して、明日相手にする赤岳を一目みたいと思っていたがガスで覆われていてその姿を確認出来ない。


やはり天気は良くなくアイゼンやピッケルを久しぶりに使用するため肩慣らしに夕日でも見ようと稜線に上がろうと思っていたがそれもダメだなと諦めテントの中に潜り込む。


ひとまず整理整頓をしてランチタイムに



カレーを食べ終えて雑誌を読む。



小説も持って来ていてだから荷物が重いのではと自分を疑いたくなる(笑)


そして、あっという間に辺りは暗くなりそれと共に冷気が一段と冷たさを増。


テントの中でさえバリバリに凍りついて寒気の厳しさは容赦なく僕を襲ってくる。


全てを着込み夕食の準備に取り掛かる。



今回もキムチ味のサバ缶鍋にもちというディナータイム。


行者小屋は冬季営業日が決まっているので本日はお休み。だからこそ食料や飲料も全て担がなければならない。なのでしっかりと一本だけだが持ってきたビールで赤岳に乾杯する。...最高にうまい!!






この間はガスを使用するのでテントの中は快適だが消した瞬間から寒い。


雪の上だから土間からの冷気は、防ぎようがない。



もちろん銀シートにウレタンマットの組み合わせだが冷気はそれらを通り越してくる。


僕は前回の記事で寒さに対しての根性論を展開させたが言わば理想論であって寒いものは寒い(笑)


またもや大量に用意した暖めグッズ。



八ヶ岳は内陸に位置するため日本海側の北アルプスに比べ晴天率は高めで雪も湿ったのではなく軽い雪が降る。しかし、寒気は一級品で八ヶ岳は寒いのが常識だ。


なのでドカ雪が降った次の日とかは、雪崩にも注意しなければならない。今年の1月に阿弥陀岳で大学生二人が雪崩に巻き込まれ遭難死している。


2月~5月にかけて集中して雪崩が発生するものだと思っていたが11月の立山でも雪崩が発生して大勢の方が亡くなっている。


雪崩には、十分気をつけなければならない。そして赤岳の風速も強く20m~30mの突風が吹くので耐風姿勢の取り方や滑落した時の滑落停止技術は持っていなければならない最低ラインだ。


いきなり来る横風の突風にはトラックでさえ大転する。人間なんて簡単に吹き飛ばされる。


稜線にいた場合は崖なので想像出来ればどうなるかは一目瞭然。


滑落したらほとんどアウトなので滑落しないための技術や知識が必要とのことである。


こう書いているとやはり雪山の厳しさを再認識する。

ではなぜそこまで厳しく危ない雪山に行くのか。

だからこその美しさがあって人々を魅了するのでないかと僕は感じる。


夕飯を済ませ外に出て煙草を吸う。


多少のガスが出ているが星空満点である。このヒンヤリする冷たさと星空。数年前にツアーである厳冬期天狗岳の夜を想い出す。


今では単独で冬では初となる赤岳に挑もうとしている。


雪を集めテントに戻りホットウイスキーを作る。




早々と寝袋に潜り眠りにつくが、厳しい寒さのため何度も何度も叩き起こされる。起こされる度に疲れが残る。


そして、朝を迎える。準備と食事を済ませいざ赤岳にアタック!


アイゼンとピッケルを装備する。


サクッサクッと音を奏でるアイゼン


冷たい空気。


この冒険シーンみたいなワンシーンの空間が僕は好きだ。





今日は風がなくとても歩きやすい登山日和である。高度をグングンと上げていく




稜線に出ると風が出てきたので保温をしっかりとしてテルモスに入れてきた温かいお茶を飲む。



ザックには、非常用のツエルトも必ず持ってきている。



今年の夏に縦走した赤岳~阿弥陀岳。


その阿弥陀岳も威厳にそびえ立つ



そして、頂上直下は岩と雪のミックスクライミング



そこを登ると写真ではイマイチだがドーンと我ら日本最高峰の富士山に出迎えられる




雲海も広がる




少し歩いてようやく頂上に到着する。




母親世代の優しいおばさんが記念だからと写真を撮ってくれる。


僕の一つ年下の医者の研修医である方と30分ぐらい山頂で談笑する。彼は大学生の頃は山岳部であっちこっちに出掛けては登っていたらしい。




またどこかの山で会ったときは飲みましょうと別れを告げる


あとは行者小屋までの戻りとなる。



テント場に戻るとさっきまで山頂にいた赤岳がしっかりと見える



少し休んでから撤収して下山する。


ようやくやり終えた気持ちよりもようやく寒い所から出られる事が嬉しかった(笑)


技術的にも問題はなく、やはりあの高くそびえ立つ赤岳に去年は負けたんだと思った。



帰りはまたほったらかし温泉でゆったりとして帰るのであった。

初冬単独赤岳テント泊行

高速道路を走り向かう先は八ヶ岳。


去年の終わりに僕とkで日帰りで赤岳に向かったのですが、まさかの寝坊...次の日が仕事だったため行者小屋で断念。惜しくも敗退した山。時間的に制約されたっていうのもあるけど心のどこかで赤岳を目前にして高くそびえ立つ赤岳に怖気ついたのが本心かなと思う。


あれから一年。僕は一人で今向かっている...。


やはりそれには意味があり、僕は正直怖くなったのを去年からずっと引きずっていた。


次こそ二人で落とそうと話していたが、僕はやはり自分が許せなかった。行こうと思えば行けたのに、体力的に技術的に不安が残り前に進めなかった。ようするに精神的に負けたのが八ヶ岳最高峰の赤岳である。


一度こういう事があると困難な厳しい山々に僕は一人で立ち向かう事が出来なくなるのを恐れた。


それを拭いたい気持ちと早く雪山を楽しみたいと僕は車を走らせていた。



途中の大好きなほったらかし温泉に立ち寄り明日の夜は凍える寒さの中なので身体を温める。


勝沼から美濃戸口まで60km...


僕は下道でゴールを目指す。音楽を聞きながら空いている道をドライブするのは、それはそれで楽しい一時。


山麓のコンビニで車中泊をして、次の日の朝6時に出発する。夜中に車が揺れるほど強風が吹いていた...。


その日は、登山指数Cと登るのに適してないとWebでは出ていたが、行けるところまで行って風速30mを体感してみたいと思っていた。もちろん無理はするつもりはない。危ないと思えばすぐに下りるつもりでいた。


八ヶ岳の入り方は様々あるが、僕が取ったのは八ヶ岳山荘まで車で行き、そこから歩いて登山口に向かうルートだ。夏であればその登山口まで車で行けるがWebでは4WD+車高が高いスタッドレスタイヤでないと厳しいと出ていた。


あと少しで八ヶ岳山荘の時。僕は嘘でしょ?と目の前の光景。道が凍結しているのである。


案の定ハマり悪戦苦闘する。しばらくすると後続車がやってきて何台も車がハマる。


一台ずつ皆で押し合い凍結していない所まで出る。


がしかし、また凍結した道路が永遠と続いている。




こうなると林道に止めて行く選択を迫られるが僕はテント泊なので、それはマズいと思う。八方塞がりかとまさかのここでリタイア?と横を見ると


太陽館という建物があったのでWebで番号を調べダメもとで電話してみると


冬季は無料解放してるので好きな所に止めて大丈夫ですよ。と優しいお姉さんが言ってくれる。


捨てる神がいれば拾う神もいる。というのはこういう事でしよ!と林道に止めようとしていた皆さんにも伝え邪魔にならないように綺麗に駐車する。


そして、お気をつけて~とお別れする。


この時間帯は日帰り登山者がほとんどなのでギッシリ詰まった僕のザックでは、一緒には歩いていけない。


八ヶ岳山荘に着いた時には九時半を回っていた。


これでは、密かに今日行ければ赤岳の山頂を行こうと考えていた思惑は消える。


ここから行者小屋までは長い道のり。久しぶりに履いた雪山登山靴。そして雪山装備が増えたザック。


久しぶりの重量にこんなに重い感じだったかな?とすでに負けそうになる。始まってもないのに...(笑)




八ヶ岳山荘には遭難事故の表が張り出されていて意外に多いなあと思う。




僕が目指す赤岳は八ヶ岳では中級~上級者ルートであるが北アルプスと比べると初級ルートに位置付けされている。そのため簡単な山だと思い技術や装備、知識が不十分な登山者が多いと雑誌で読んだ。


赤岳には中級~上級の文三郎ルートや地蔵頭ルート。八ヶ岳最難関の真教寺尾根のルート経由がある。真教寺尾根になると北アルプスでも厳しいルートとして位置付けされている。


他にも阿弥陀岳のバリエーションルート等も赤岳よりも難しく危険登山となる。


こういった情報収集力も登山をする上でとても大切で、わからないことは曖昧にしないで聞くなり調べる事は命を繋ぐ作業に他ならない。


雪山とはそういった遊びであって、僕も行きたいと思っていたが数年は入れなかった世界である。




今年の夏に僕は赤岳を登頂していて、行者小屋までの長い道のりにウンザリしたのを覚えている。


単調な森林の道は飽きる。が雪景色だと楽しくてずっと歩きたくなるのは不思議な心変わりである。



雪山の場合は、汗をかく歩行スピードは厳禁である


汗で濡れた服で寝たり山頂などで強風に吹かれるとたちまち低体温症になり、行動不能となる。もちろん最悪は死に至る。


そのため汗には敏感になり、ちょっとでも暑いと思ったら脱いだり寒いと思ったら着たりで何かと忙しい。




そして、ようやく今日の野営地である行者小屋に到着する。




続きはのちほど...。

2014立山三山縦走テント泊 完結編

雷鳥沢キャンプ場から出発して、まず僕らは小屋の人に注意される。


そこ歩かないで!竹竿に沿って歩いて!。


ここでようやく竹竿が何故突き刺さってるのかを知る。今日は立山三山を縦走するので昨日来た道を一度戻る事になる。


シリ滑りをして着いたキャンプ場。いきなり長い坂道を、しかも雪道でとてもじゃないがしんどい出発となる。



今回のルートは雄山~大汝山~真砂岳~別山~というルートを行くことに。


まずは、一ノ越まで歩くが雪が凄い。日が出てぬかるんでいるので思うように歩けず体力を消耗する。


一ノ越から雄山までは、富士山のような岩登りになる。




風が強く雲が勢いよく流れてる。少し長いなあ~と思いながらも山頂に到着する。



雄山の山頂には、神社があり巫女さんが居るのに驚く!この人達どこで寝てるのか気になる(笑)


とりあえずの雄山登頂に乾杯する!




この時までは余裕だった。2人仲良く楽しい登山をしていた。がしかし長い道のりがこの後二人に襲い掛かる(笑)


次の大汝山に向かう。ここの小屋は、春を背負っての舞台になった小屋である。






ここから先のルートがイマイチわかりずらく僕らは自分達の現在地を把握出来ないでいた。そのためあと何分歩けば到着するとかの予測が出来ず、長い稜線を歩く。予測出来ない道のりは、精神的にまいる。


僕らがキャンプ場を出る前に小屋の人から去年雪崩で数名の人が亡くなったのを聞き、そこまでは行かない方が良いかもと言われていたのが気がかりで僕らは途中のエスケープルートを辿ろうとしていたのだ。


結局わからず稜線を歩き続ける。



そして、いつかは経験を積んで行きたいと思っていた憧れの劔岳を初めて拝む




真砂岳~別山を経由して僕らが降りようと考えた最終の劔御前小屋に到着する。



ここからは、ひたすら下り。下りたすぐ先にキャンプ場なのであともうすこしだが、所々に雪があり道に迷う。


僕らは、シリ滑りをしながら楽に?下りていく。




そしてようやくキャンプ場に到着。




疲れ果てた帰還であったが、やり遂げた達成感はとても心地良く近くにある小屋の温泉に入る事にする。


楽しみにしていた山の温泉。がしかし湯の温度は源泉から直接引き上げているため温度調節は各自でという紙が張り出されている。


知らずに足をいれ悲鳴を上げたのは言うまでもなく僕は素っ裸でうずくまる(笑)


そして寒い(笑)





この小屋の温泉は半露天風呂で立山を一望出来るが、僕らも一望されてしまうほど散策路から近い(笑)




水を大量にいれるが熱いのと待っている寒さで少しだけ入ってすぐに出る。


小屋で生ビールを飲み、僕らが通ったルートを確認する。




キャンプ場に戻り夕飯を食べ就寝。


初日から近くにいたカメラマンのお兄さんと仲良くなり世間話をする。

初めて会った人にお気をつけて~と見送られる事に感銘を受けたのは、この時が初めてで何か心が暖まるのを覚えた。


登山中のすれ違いに挨拶を交わすのは、社交辞令?的なニュアンスが強いと思っていたのでお気をつけてがとても新鮮に感じた。



僕らは、少しキャンプ場でのんびりと過ごし帰りにみくりが池温泉という小屋に寄り温泉に入る。ここの湯は少し高めだが普通に入れるのでやっとゆっくりとリラックスが出来る。




温泉を出た後は、ゆっくりとコーヒーを飲む。なかなか味わえない時間と空間。帰るのが名残惜しいがその時間はやってくる。




そして駅に戻り途中のマタギ亭に寄り鍋を食べて今回の山旅を終える。