青春を山へ

登山記録と過去の登山を日記風に綴っていきたいと思います。

年末年始登山行 管理人

冬季小屋のなかは外よりは暖かいが外気温-15℃の世界である。暖房設備のない環境であるのでやはり冷気は堪える。もちろんテントよりかは快適であるが。


次の日は今回のメインイベントである硫黄岳~赤岳の雪山縦走となる。まずは硫黄岳に戻るような格好で登りだすが、かなりの急登...。

時間的に長くはないが初っぱなからこれはキツい。


硫黄岳山頂に近づくにつれて風も強く縦走が大丈夫か不安になる。、



硫黄岳に着いてザイルをだして使用方法の確認をしていると、えっこっちがよくない?と意見が別れる。まさかのトラブル勃発


ザイルとは命綱であるから納得出来るまではお互い引けない。。そこに命を託す事になる...。


大晦日という世間では一年をゆっくりと振り返りながらコタツの中にいるだろうに


この二人は風速が強いなか寒気にも負けず硫黄岳の山頂でザイルの持論を展開している(笑)


途中でおかしくなって笑ってしまい話はそこで終わった。なぜなら、今回はザイルを使わないからである。。。


あまりにも時間が経過していた事に気付く。雲行きは怪しく黒い塊が空には覆っている。


先を急ぐように足を早める。天望荘には3時頃には到着していないといけない。


どの雑誌でもそうだけど、基本的に雪山の場合は3時までが行動出来るタイムリミットとしている。夕方になると天気が荒れ寒気は厳しくなり遭難する確率が倍増するからである。雪山で遭難した場合は、もはや生死の分かれ目で助かる見込みはグッと減る。僕はテントも暖も取れないなかであの凍てつく極寒に1日たりとも耐えれる自信はない...。


このトラブルで一時間のロス。


次々と小ピークを登っては下ってと縦走を楽しむ。


天望荘をようやく目視出来ると余裕も出てきて景色も楽しめるようになる。一年の終わりにこんなに必死になってるなんて...。と

景色を見ながら思いを馳せる。


 

核心部である初登頂の横岳を過ぎていよいよ天望荘


時間は3時30分。


一時間のロスはあったものの速さで取り戻せ予定通りの到着となった。


八ヶ岳山荘と天望荘のオーナーは一緒の人で

おっ!よく来たなと歓迎される。


食事までは時間があるのでストーブの近くでビールを飲んだりウイスキーを飲む。


そして僕はkに言う...


縦走楽しかった?だよね!

スリルあって楽しかったよね?わかるわかる!


で今回これで終わるのもったいなくない...?


相づちを打たせて本題を切り出す話法は僕の得意技でKはしまったという顔をしたあとに、どこ行くつもり?


僕は、八ヶ岳最難関である南稜というバリエーションを提案する。


二人ともアルパインクライミングは初になる。


アルパインクライミングとは、広い定義でより困難な山に決められた人数と最小限の装備で挑みアイスミックスやバリエーションルートを登る事を指す。


怖さとか不安はもちろんある。だけど挑戦したい衝動は抑えられない!

無理なら引けば良いしどうだろう?


縦走をやり遂げた達成感の余韻のなかである


うん、わかった。行こう!


縦走がラストで明日は下山して温泉にでも行こうと遅い正月をようやく迎えられると思っていた矢先。それは消える。明日は下山して休息と準備をして明後日に登ろうと計画を立て終える。


楽しみにしていた食事の時間になりバイキング形式で色々なメニューが目の前にたくさんありあれもこれもと食べる...とにかく食べる(笑)


このあとは、今年最後のメインイベント!ジャンケン大会が始まる。

同じテーブルに着いた名古屋から来られた人から酒が入り同席した人達と会話で盛り上がりながらイベントを楽しむ。



ちなみにジャンケンしている人は長野県警の山岳救助隊員の人である(笑)



ジャンケンに一度も勝てる事なく(同席の人は皆勝って賞品をもらっていた)皆に笑われながら楽しい宴会は終わり夜の10時頃。山では遅めの就寝につく。

今回の宿泊数は去年の倍以上で確か130人以上居ると言っていたと思う。山の人気がそのまま数として出た結果です。



朝になり朝食はおせち料理風であった。kは好き嫌いが激しく残そうとしているのを食べろと諭す。

下界で好き嫌いするのは勝手だが、山では担いでくれた人の思いや、食欲がなくても動けるエネルギーが必要不可欠なので、無理でも目前にある食事を取らなければならない。もしも遭難した事を考えれば食べとけば良かったと後悔するだろう

動けなくなってパートナーに迷惑をかけるのを承知の上で残すのか?


いや~っていう顔をするkにそういった意味を略して食えとだけ言い食べさせる。

ここを旅館だとか娯楽場という考えを捨てて常に危険と隣り合わせなんだと認識してもらいたい所である。楽しむ登山をしたいなら夏山のハイキングにでも出掛ければ良い。ここは美しくも厳しい雪山には変わりない。


初日の出の為外に出ようとしても人が立ち往生している。

外から戻ってきた人に何事かと訊ねると、いやー飛ばされるぐらい風が強いよと外の状況を知る。

出てみると猛烈な風で息も出来ない....kに日の出は見れない待機しようと話す


一時間ぐらい待ったが風は強くあまり弱っていなかったが出発しようとkと準備する。お姉さんに、えっ行くんですか?お気をつけてと見送られる。


たまにくる強烈な突風を警戒しながら先頭を進む。kのうしろから人がついてきている。きっとあとに続いたんだなと思いながら何度も足を止めては後ろを振り返りkの存在を確認する。

そして無事元旦赤岳登頂!



写真を数枚撮りすぐに下山する。風が強く立ち止まると寒くて仕方ないのである。。


かなりの歩行スピードであっという間に八ヶ岳山荘に到着する。