青春を山に賭けて msk

登山記録と過去の登山を日記風に綴っていきたいと思います。

登山の目覚め~あっぱれ日本一~


この記事は僕が20歳の時に富士山を登りヤマレコにアップしたお話。



アウトドアとはかけ離れた生活をしていた

いわゆる現代っ子の時



そんな中、一人の先輩に


「絶景でビール呑みたくねえ?富士山行こうぜ!!」


「はあ?富士山?んー辛そうですね。。。」


「いいから行こうぜー!うひょー!」


みたいな解読不能な彼の言葉と強引な押しで

ひょんなきっかけで登る事になった富士山。


事前にWebでとりあえず下調べ


寒いし辛いし山頂で買うビールは高いと判明


ド素人な二人は、何もない装備と知識で無謀にも富士山に初挑戦



その日も普通に仕事があったため、帰宅してからの準備


夜の九時に集合して、それから富士山に向かった


まだこの時は、山頂の極寒もハードな岩登りも何も知らない


日の出とともに乾杯だなんて!なんて素敵なんだ


とその時は呑気なもので、ただただ達成した自分を夢見てました。



11時に登山開始


最初は、気分良く仲良く歩き始める二人の青年


「日本一いるぜ!俺ら!すげーな!」


仕事後であろうが、遊び感覚であったから「大はしゃぎ」


富士山を登り始めて、まるで冒険映画のワンシーンにいるかのような感覚に酔いしれる


自分は冒険者なんだ!なんてワクワクするんだろう!この感覚嫌いじゃない

夜空には満天の星空が広がり地球って丸いんだなと思わせるかのように

ドーム型に見える星空


そして夏の夜の懐かしい匂い...


感動する!とはこのことなのか!




登り始めて二人が無言になっていくのに時間はかからなかった。

いやあっという間の方が表現的にあっているであろう。



だがしかし、この二人


大の負けず嫌いなのである。余裕の振りしてグイグイ登っていく


本来、日の出を見たいなら10時位から登り出さないと山頂での日の出は拝めない


そんな事も知らない二人は、ひたすら登っていくが


空がだんだんと

うっすら映えてくる


山頂付近での登りは、何度登っても辛い


ハードな傾斜で、何より高度が高い


高度順応の言葉さえ知らなかった二人は


もうバテバテである。


先頭を交代交代で、変わる

何より先頭は、ガッツがないとなかなか務まらないポジションである


数分動くだけで息が激しくなる


少し休むだけでガタガタと震えるぐらい冷える


もうなんだこの辛さ


空を、みると山頂での日の出は絶望的だった。


そして、僕は帰りの体力を心配するようになった

一回心が折れてしまうともうこの勝負は決まったようなもの


覚悟なくして登れるほどぬるくないのが日本一


これが富士山か...なめてました。


恐らく高山病にかかってしまったのでしょう


気持ちも悪いし頭も痛い もう自分は限界だ


「ねえ!もう日の出観れないからここら辺で諦めない?」

何度も押し返していた言葉がついに出てしまった


「いやここまで来たから山頂行こうぜ」


(んー山頂までの道のりはまだまだ長い...)


「俺もう限界なんで下ります」


と半ばふてくされたような顔をして言い放った


辛さもあったけど登れない悔しさがたまらなかった。


自分の弱さを目のあたりにした瞬間だった


「マジかよ?登ろうぜ」




首を振る自分




「いや登ろうぜ」




首を振る自分




「わかったよ じゃあ俺は行くわ」


突き放すようなキツい一言

その言葉を残し前に進んでいく。


あー俺はダメだなほんとに。


少し座って考えていた。


最初はアンナにも仲良くしてた二人だけど

ここまでお互い嫌な部分をさらけ出させれてしまう富士山

あっぱれ日本一。


二人の目的は、絶景で乾杯をすること


俺は、自分に負けたんだ。悔しかった悔しくて一人涙が流れないように我慢して突っ立ていた。


たかが冗談半分で来た富士山であったが

もう本気だったのだ


こんな自分は嫌いだ!俺も日本一行ってやる



そう

気を取り直して、もう一度僕は登りだし追った



ようやく追いついた時、彼はなんと下を向いて座っていた

そう、限界はとうに来ていたのだ。


だけど先輩だから、その言葉だけで彼は動いていた。


「おーい!何やってんだよー!行くぞー!」


まさかみたいな顔をして上を向く


喜びと安堵が彼の顔に満ちていくのがわかる


「一人の乾杯はやっぱり申し訳ないから頑張って来ましたよ!」




嬉しかったのだろう。横目でみた喪失感の顔は、もうすっかり消えて

いつもの笑顔に戻っていた



富士山の山頂間近は、一番のピークである

死に物狂いで最後を突き進む



そしてついに山頂についた瞬間


二人は抱き合ってこの喜びを分かち合った


「日本一にいるぜ俺ら!」


「雲の上にもいるね!」


「これはおったまげたわ!凄い!」


二人して、言葉足らずだが


すげーすげーと繰り返していた


そして乾杯ビール!


最高に寒くて眠くてビールどころではなかったけれど二人の頑張りに乾杯。


たった一日の出来事...。

だけど何年も苦労したような感覚から

解放されどっと浸かり


二人の日本一に乾杯と!友情が深まった


格別な味がしたビールであった。




その後も毎年富士山は、恒例のように登っている


一年一年が激動していった年月


何を失い何を得て今の自分が居るのか



登るたびに新しい何かを発見する


登るたびに一年前とは確実に変わった自分が居る


だから、その答えを得るため毎年富士山に登る



このきっかけが自分を山に誘い込んだ物語なのである




写真は当時の物です。